叩きの構造とその対策

1.           どうして叩こうとするのか。

 人には「自己顕示欲」というものがあります。認められたい。高じては人より優位に立ちたいと望むものです。

「自己顕示欲」という言葉を使って非難する傾向がありますが、これ自体はけっして悪いものではありません。むしろ、そのために自分を高めようとする向上心につながるものです。

 ただ、自分を高めるためには相当な努力と時間が必要となります。また、元々の条件や運なども左右するため、必ずしも努力の成果がすべて出るとは言い切れません。

そこで他人を貶めることで手軽に優越感に浸ろうとする方々が出てきます。自分はそのままでも他人が下にいけば優位に立てるというわけです。

 

2.           叩く対象

 ただ、自分がダメージを受けたのでは自分の優位は揺らぎます。そこでなるべく貶めても、自分に影響が起きないだろうと思われる相手を選びます。

 

a.能力的に劣る対象

 反撃できない。たとえ反撃してきても押さえ込める。

 

b.落ち度があると多くの方々が認めるだろう対象

 周囲の共感を呼ぶ可能性が高い。周囲も一緒に叩くか、少なくとも放置する。

 

c.圧倒的に優位にあると思われている対象

 多くの支持を得ていると思われるので、一見無謀と思われるだろう。だが、同時に妬みの対象ともなるので、闇の部分での共感を得やすい。

 

 そういう意味で「斬鉄剣」の場合はb(旧サイトでの失態).c(大手サイト)の両方を満たすために対象になりやすいと言えます。

ただ、aを満たさない場合は揶揄の域を越えるのは難しくなります。「斬鉄剣」が理論派と認める「無題」においても「斬鉄剣」については論理的な批判は放棄。「斬鉄剣」非難については何でも受け入れる姿勢を取っていました。

 

3.           ネット社会の特性

 ネットの匿名性の高さが心の闇による行動をさらに加速させます。

 ネットで得られるのは基本的に自己申告に基づく限られた情報だけです。トラブルが起きた際に対処しようにもメール等を無視されれば不可能です。ホームページをもっている場合、多少は違いますが、やはり閉鎖してしまえばそれでおしまいです。

 法的に対処しようにも現時点では実名・住所・電話番号等、実生活に影響を及ぼすと思われる内容を挙げていないと誹謗中傷として認められないのが現状のようです。(詳しくは「ネット被害対策室」をご覧下さい)

誹謗中傷については実生活においても実際に裁判になるケースは少ないと言われています。ただ、法的には罰せられなくても信用を失うなど社会的なダメージを受けることが多いです。それが結果的にエスカレートするのを抑えていると言えるでしょう。

ネットでもそうですが、実生活に比べるとダメージが少ないです。

 

 蛇足ながら、匿名性が高いから何をしても大丈夫だという意味ではありません。詐欺など法的に処罰できるものについては捕まります。捨てアドレス(無料アドレス)だから、無料スペースだからわからないということはありません。

 ←まあ、ネットにつなぐために必要なものすべてをまったく個人情報を登録しないで利用しているわけではないのだから当然といえば当然ですよね。

 

というわけで被害にあった場合は地元のハイテク犯罪対策センター(警察庁ホームページや「ネット被害対策室」に全国の警察ホームページリンク集があります)に相談してみることをお勧めします。

警察庁ホームページhttp://www.npa.go.jp/

警視庁ホームページhttp://www.keishicho.metro.tokyo.jp/

にネット犯罪の実例が紹介されています。ここに載っているようなのは絶対に相談だ☆

←これも自己防衛の一種。話題にしてリンクを貼ると魔よけ効果もあります。

初期の頃はナンパ紛いの揶揄メールがちょくちょくきたのですが、あちこちにリンクを貼ったらこなくなりました。もっとも私のところは自己防衛も語っているので、警察リンクを貼りまくってもしっくりくるからできるというのがあるんですけどね。

 

4.           対策

 基本的にその方の選択次第です。闘うもよし、無視するもよし、逃げるもよし。どうしろと言えるものではありません。

防御したい場合は「割れガラス理論」(一枚のガラスが割れた時に割れたままにするとほかのガラスも割られる。マメに直すことで被害を広げないようにする)に乗っ取って、対処するのが基本です。すなわち被害にあっても何の対処もできないと思われないようにすることで、被害を広げないようにします。

 

 ここでは一般的によいと言われる対処策をご紹介します。

 

a.軽度 対処方法 無視する。

事例 掲示板に中身のない誹謗中傷の書き込みがいくつかある。

対処例 書き込みを削除して、なかったことにする。

 

b.中度 対処方法 抗議する。

事例 困った書き込みが多い。自分を揶揄する意見が多く見られる。

対処例 注意書きを厳しいものにする。該当サイトに抗議、削除要請する。など。

 

c.重度 回避。

事例 揶揄の書き込みが多く消しても消しきれない。あちこちで非難の声があがっている。

対処例 掲示板を取り外す。嫌なものは見ないことにする。インターネットから一時はなれる。

 

 いずれの場合も誠意ある対処を心がけましょう。自分に非がある部分については謝罪して、できる限りの改善の努力をする姿勢を示すことが周囲の支持を集めます。

 対処に困ったときは被害相談窓口に相談するなどして、相手に何らかの影響を与える努力をしてみるのもお勧めです。少なくとも新たな交流は広がりますしね。

 

 もっともこういう際に冷静に対処できるくらいなら、対象になりにくいという説もあります。叩いた側のダメージが大きいですからね。

「斬鉄剣」叩きの際に「無題」が動いてから、ほかが動くという傾向もそれを表しています。

「無題」は相当な理論派です。他サイトへの言及を見ると一見単なる誹謗中傷表現が多いです。でも、対象になったサイトとのやり取りになると、相手の反論に理詰めでトコトン追い詰めていくのが見受けられます。さらに相手によっての対処の使い分けが巧みです。

もし「斬鉄剣」が反論したとしても「無題」が応戦するだろうと思われます。

 

 また、いちいち対処してもキリがないので、明らかに単なる誹謗中傷の場合は宣伝の一つと割り切るほうが精神衛生上いいかなという気がします。自分のサイトの掲示板だけは対処しておいたほうがいいですが。

叩かれるのはそれなりに実力があり、認められる証拠。本当にどうしようもない、つまらないものは対象にすらならないのですから。

 そういうものを読んで感銘を受ける人間はほとんどいません。やっている人間の評判を落とすだけです。同情されて、結果的に自分の評判が上がることもありえます。

 不快は不快ですが、見なければ気になりませんし。

 

2002.2.14初稿

 13日夜に書いていたのですが、日付を入れようとしたら14日になっていました。バレンタインデーにこんなテーマで更新なんて非モテ路線ですね。

 

2002.2.15ちょっと改定

 見直したらいつもに増して誤字脱字に変な言い回しの数々。平日にアップするのは無謀でした。

 

トップ オリジナルエッセイ目次

27.奇抜なフファッション 29.動いてしまう人々