生きにくい世の中

 今回はいつもみている「Simle〜憂鬱なプログラマのプロジェクト思考の日々」のコラムに「状態が悪いときは2ちゃんねるで愚痴ることにしている」病気休養中の人間が脊髄反射したいと思います。

 苦しい健康 (2005-10-15)

 http://simple-u.jp/pdone.php?id=613

 とある批評家が病気「個人がある心身の内的な異変の表出を根拠に、社会からその社会のモラルを共有することを免除される状態」と定義したことをもとに書いています。

 

脊髄反射

「そういうなら病気になってみやがれ」

 

 休みにくい雰囲気の職場では具合が悪くて休んだ後にこの手のことをいう方々がいて、同調する空気が漂います。人格者でない私は「仕事に穴をあけて申し訳ない」という気持ちが吹き飛び、「何とか同じ病気にできないだろうか」という黒い考えに染まります。

 

 確かに仕事・学校は辛いことも多いです。逃げたくなる気持ちは非常にわかります。でも、病気とどちらがいいかと言われたら、迷わず健康なほうがいいと言います。

仕事・学校と違って、病気は24時間年中無休の闘いですから。比較的状態がいいときもあり、そういうときは治療のためにも好きなことを楽しんでくださいと言われています。それでも、後ろめたくて思いっきり楽しめませんから。

 

また、社会的規範から免除されるといっても生活しなくていいわけではありません。

私の場合は独身・親元暮らしと恵まれた環境にいます。それでも将来への不安は拭いきれません。休職期間中に治らなかったらどうしようかなとか。これが一家の大黒柱となれば本人だけでなく家族全員が生活できなくなる危険性があります。とりあえず社会保険(傷病手当など)で一時的にしのげるとしても当然、働いているときよりは収入が減ります。その後は社会的援助があるといっても適応条件はかなり厳しいものになっています。

そのような生活の不安がなければ生命保険・傷病保険などに誰も入りません。

 

 病気の人間をストレス解消の道具にしている時間・労力があったら免除されることを羨むような状況を変えていくことに力を注いだほうがいいのではないかと思います。

 

注 Simpleは社会的な常識にあえて逆らった疑問提起をしているサイトです。

 

追記

 病気などの理由なく学業・就業についていないニートが多く増えている今日この頃。ニートも後ろめたさを感じていたり、そこから抜け出せないという悩みがあるのかもしれません。それでも病気の人間よりも抜け出せる可能性が高いので、「健康」は羨ましいと思います。

 うつ病の啓蒙パンフレットなどをみると病気などの理由がなく休むことに後ろめたさを感じるタイプはうつ病になりやすいそうです。

それを言ったら現在の日本社会全体がそういう価値観が根強いのではないかと思わないでもありません。「社会」についていけなくなった者を見下すことで心の折り合いをつけていると思われる方々に多く出くわします。

そういう風潮なので、最初からそういう「社会」に入ることを拒むニート、リストラ・病気などで「社会」から外れたときに心のバランスを崩し、人生そのものから逃げようとする方々が増えてしまうのではないでしょうか。

みんなが様々な価値観を包み込むことができるようになるといいなぁと思います。

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