テキストサイト史記 〜太腕繁盛記〜
第一章〜開店 はじめまして。私は辺境の村に住んでいるはると申します。 いろいろなものが見たいし、いろいろな人に会いたいなぁとネットという大きな街に遊びに行くようになりました。みんなは得体の知れない人間がたくさんいて、危ないといいますけどね。 街にはいろいろなところがあります。珍しいものを売っているお店や旅人が集まる酒場など。私も酒場に行くようになりました。そこでは旅人たちが語り合ったり、村に帰ったあとに文通するともだちを探したりします。 いろいろな人がいますよ。ほかの村の話を聞いたり、愚痴を言い合ったり。 酒場の中にはちょっとしたお店を出せるところもあります。私もたまにお店を出していました。といっても仲良くなった方と交換するのに毛が生えたようなものですけどね。 そんな酒場の中にマスターもお店を出しているところがありました。「初めてのメールともだち♪」というところなんですが、知っています? マスターの毒舌口上が人気でね。ご本人は丁寧なつもりらしいんですが。 私の商品もそこにおかせてもらうことになりました。防具。たいしたものじゃないんですけどね。まあ、普通の人がするちょっとした旅には充分だと思いますよ。 お店をもっている人たちと知り合うこともあります。必ず行きますよ。酒場のお店に毛が生えたようなのがほとんどですけどね。でも、立派なお店より好きです。いつも話している人のお店というだけで見てみたいじゃないですか。 ついでというカンジなのであまり何度もいくのも悪いかなと、なるべく専門のお店に行くようにしてはいますけどね。でも、気になってこっそり変装していったりして。 そんな中に懇意になった人がいましてね。お店はもたないの?というんです。 でも、お店の切り盛りなんて難しそうじゃないですか。酒場でお店出したり、商品を置かせてもらう程度で充分かなと思ったんですよ。 とりあえず「初めてのメールともだち♪」で売っているよと言ったら、あそこはあまり好きじゃないみたいでね。というわけで街外れのジオシティーというところでお店をもつことにしました。商品は「初めてのメールともだち♪」で売っているものと同じなんですけどね。 お店といっても即席で、ただシートの上に商品を置いたようなもんですよ。内輪だけのつもりでしたし。結局、その方とは会わなくなってしまったんですが。 せっかくなのでよく行くお店の店主さんに話し掛けてみることにしました。同じ防具屋さんというだけなんですけどね。驚いたことに遊びにきてくれたんですよ。 「電子メール社会のエチケット」の和田さんは面白いねえと誉めてくれて、こういうふうにしたほうが見やすいよと教えてくれて、ほかのお店も教えてくれました。 「ネチケットを笑い飛ばせ」のふらわーさんは、今はたまにしか街にこないけど、また頻繁にくるようになった頃にもうちょい軌道に乗った頃にチラシを置くかもと言っていました。 やっぱり同じ商品を売るから挨拶しなきゃなとチラシをもって「初めてのメールともだち♪」に行ったんですよ。宣伝できないと言われました。驚きました。だって、同じ商品を売っているし、わざわざ遠くの小さなお店まで買いに行かないと思うんですけどね。 そうか。宣伝するものなのかとお店の切り盛りの本があるお店を回っていて、脇に小さな酒場がある「ホームページを見直す時がきた!」というお店をみつけました。今は「リニューアルのススメ」という名前に変わりましたけど。 酒場に降りてきていたのでチラシをもらって貼ったよと言ったら、こちらのチラシも貼ってくれました。全然お店の雰囲気が違うんですけどね。 ここにはいろいろな人が飲みにきていましたよ。私は難しい話になると商品は「初めてのメールともだち♪」で買ってくれればいいやと開き直っていました。いけないですね。 第二章に続く。 |