偽善に対抗する

 よく世間的に善いことと思われることを行ったり、言ったりする方々を「偽善者」と批判する声を聞きます。

この「偽善」という言葉はとても悪いイメージがあります。本心からでなく人によく見せたいと思って善いと思われることをしている。見栄っ張り。情けないやつだ。

善いことをしたという事実すら貶めてしまう残酷な言葉です。

 

 私は別に偽善者だろうがなんだろうが構わないと思います。むしろどういう動機であれ世間的に善いことをしようと思ったことを尊敬します。よく思われたいから善いことをしようと思いつく時点で充分に立派です。世の中には何もせずにどうしてと文句を言う方々もいます。

だから、「いかにも善いことをやっているんだ。見て見て」という感じでも「素晴らしいですね。頑張ってください」と心から声援を送ります。そのくらいで気持ちよく頑張っていただき、結果的に少しでも助かる方がいるのならいいのではないでしょうか。

ただ、「みんなもするべきだ。どうしてやらない」となると「そりゃ違うだろ」になります。「自分は自分。他人は他人」なんですから。

 

 はい。私は利己主義です。まるっきり善意がないわけではありません。心の中にはあると思います。こういう「綺麗事といわれる」サイトをつくっているくらいですから。

 ただ、普段は「ひ〜。よしてくれ。がらじゃないんだよ」とのたうってしまいます。福利厚生という人のためと言われがちな仕事をしています。でも、金を貰うプロとしてやっています。かつては「人のためによく頑張るね」などと言われると、わざわざ「仕事としてやっていますから」などと真顔で反論して反感を買っていました。

 寄付というと「義務だといって無理やりに集めてくれたほうがいいです」と騒いでいました。騒がなくはなりましたが、今でもそうです。善意でと言われて雰囲気で出す十円は何だかモヤモヤするけど、義務っぽい千円は「やだなぁ」と口で言いつつすっきり出せます。

話だけじゃ実感が湧かないんですよね。実際に目の前にいれば話は別ですが。義務と言われるとやらないと自分が損するからと納得できます。

 

コラムについても今は比較的ストレートに書けるようになりました。それでも冷静になるとのた打ち回りたくなります。現在、錯覚だったのではないかというくらいに気付かない振りをしていただいています。それでも直後はやっぱり穴を掘って埋まりたくなります。

ちなみに「こっそり移転しちゃえば」と言った方はとても仕事熱心なのですが、そういうと思いっきり嫌がります。←静かに八つ当たり企画中。

 

 だから、いわゆる善行を行いながらも「オレがやりたいからやる。一緒にやりたい方はどうぞ」という感じの「斬鉄剣」が好きです。「自己満足や偽善の何が悪い。オレはオレのやりたいようにやっているだけだ」という開き直りもツボです。

 どこまでも自分が軸になっています。この方。

 

それでも手の込んだ偽善などと反発されているんですね。

善いことをする方はすべて偽善者になりそうな勢いです。「人のため」と称して、どう考えても自分のためでしかない言動ばかりの方々はともかく、善意が入っていればいいじゃないですか。まったく私意のない純粋な善行なんて存在しないと思うのですが。

 

ただ、批判している方々に善意がないかというとそうでもないです。有名なアンチサイトはほかのコラムでほぼ同じこと書いています。(指摘する方が多いようで同属嫌悪と本人が言っています)

でも、実際に動くとなると「そんな人のためになんてご立派な人間じゃねーや」とためらうというやつですか。だから、素直に動ける方々に反発してしまう。

で、そういう方々が評価されてますますイライラ。ついでに反発から結局、動けなかったことで気分が悪くなってしまう。

 

 「善いことするのが嫌なんじゃない。善いことをしている自分という感じが嫌なんだよね。そういうの偽善だよな」

よくわかります。私もそうですから。現在は自分へ言い訳がうまくなっただけです。そこで私から皆さんへプレゼントします。

「偽善」への対抗ができ、かつ自分もすっきりできる方法。

 

 「『偽善者』への対抗手段として、利己主義な理由・自分のための打算を強調しまくって同じことをやってみる」

 

 「偽善者」だったら思いっきり神経を逆撫でされるので充分にアンチテーゼとなるはずです。それで反発してきたら「偽善」が浮き彫りになるので一石二鳥。

 こういうことを言うと「本当に善意でやっている方々に失礼」と怒る方々もいます。でも、本気でやっている方々は結果を重視するものです。たとえ不快に思って、反発しても結果が同じとなれば最終的には受け入れてきます。

 

 既におわかりですね。「初めてのメールともだち♪」と「はるのネット一人旅」の関係です。これが「昔は正真正銘のアンチでした」というやつです。

ただ、基本的には支持に変わったものの、やっぱり今も読んでいてツッコミを入れたくなることには変わりありません。

ここも一種のアンチサイトというやつです

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22.本の感想2〜「僕たちはいらない人間ですか」

24.リンクフリーについて